ヤタガラス人材という考え方 – 経営と現場、ITをつなぐ“三本足のチーム”を支援します
権守一城中小企業診断士事務所の会社案内に書かれている"ヤタガラスチーム”とは何か。
DXの落とし穴に嵌らないためにまずはチーム組成を考えてみてください。
権守一城中小企業診断士事務所の会社案内に書かれている"ヤタガラスチーム”とは何か。
DXの落とし穴に嵌らないためにまずはチーム組成を考えてみてください。
※公益財団法人日本サッカー協会(JFA) ブランドムービー
ヤタガラス(八咫烏)は、日本神話に登場する三本足の神鳥です。神武天皇が大和の地を目指し熊野の山中で進路を見失ったとき、天照大神に遣わされ、道を導いたとされています。
この神話から、ヤタガラスは「未知の領域を進む者を導く存在」「新たな国づくりの先導者」として崇められてきました。
サッカーの日本代表のエンブレムとしても使われています。
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は、デジタル変革を推進する人材像として「ヤタガラス人材」という言葉を提唱しました。それは、単なる比喩ではありません。日本の神話的意味と現代の組織課題が重なるからこそ、この名が選ばれたのです。
「ヤタガラス人材は、経営・事業・情報(IT)という三つの視点を併せ持ち、組織横断的にDXを先導する人材である」
― IPA「DX人材の類型と育成の考え方」(2022年)より
八咫烏人材:IPA「DX先進企業へのヒアリング調査概要報告書」より
ヤタガラスの象徴である「三本足」は、以下の3つの領域を跨いで動けることを意味しています
経営(マネジメント・戦略):経営者の意図とビジョンを理解する力
事業(現場・顧客接点):実行の現場で起きている課題に向き合う力
情報(IT・デジタル):テクノロジーを理解し活用する力
これら3つの領域を横断できる人材は、組織にとって極めて稀であり、だからこそ「ヤタガラス人材」として位置づけられています。
「ヤタガラス人材は、組織のサイロ構造を越え、事業部門とIT部門の対立を乗り越えて、組織を“未来のありたい姿”へと導く存在である」
― IPA「DX人材の類型と育成の考え方」より
VUCA時代の経営では、「正解」が見えない中で判断し、変化を推進していく力が求められます。そこでは、以下のような“複眼的視野”を持つ人材が不可欠です。
経営の言葉がわかる
現場のリアリティを知っている
テクノロジーの可能性と限界を理解している
この3つの視点を同時に持つ人材は、「誰かにとって便利な通訳」ではなく、組織全体を前進させる“導き手”として機能します。
ヤタガラス人材は、役職に関係なく、組織の中で育ち、現れる存在です。
経営者はその存在を「聞き分けのない異分子」ではなく、未来を照らす羅針盤として認識すべきです。
「ヤタガラス人材は、経営者からの明確な後押しなくして機能しない」
― IPA「DX人材の類型と育成の考え方」より
そのため、経営者には
「技術に詳しいだけ」でも「現場に寄り添うだけ」でもない人材の価値を見抜く力
戦略と実行の“翻訳者”を支援し、組織に根付かせる視点
が必要です。
神話のヤタガラスが神武天皇を「国造り」へと導いたように、現代のヤタガラス人材は、企業を「新しい価値創造」へと導く存在です。
3本の足=経営・事業・情報。
それらを自由に使い分け、未来を切り拓く“導き手”。
そんな人材を見出し、育て、支援できるかどうかが、これからの経営の成否を分けます。
ここまでのIPAが定めたヤタガラス人材論を読んで、「それ、理想論じゃないの?」と思われたかもしれません。
経営のことも、現場のことも、ITのことも、全部わかって、全部動ける。そんな完璧な人材、どこにいるのか?
たしかに、そうです。
そんな“なんでもできる人”がいたら、すでに変革は終わってますよね。つまり、ヤタガラス人材って、ある意味“伝説の生き物”みたいなものなんです。
でも、ここで諦める必要はありません。
大事なのは、「全部できる人を探すこと」じゃない。
それぞれ一本足を持ってる人たちを組み合わせることです。
経営がわかる人(戦略や数字に強い人)
現場を動かせる人(お客さんや社員と本気で向き合ってる人)
ITやデジタルに詳しい人(仕組みを理解している人)
この3つを揃えれば、チームで“ヤタガラス”を作ることは可能です。
そして全部を社内で揃えられないなら、足りない部分は外の力を借りればいい。必要なのは、今いる人たちで前に進むための現実的な設計です。
外部人材、ITの専門家、現場に入り込めるアドバイザー…
それぞれの知見を“自社の視点”に翻訳してくれる存在が必要なんです。
三人三様の強みをどう繋げるか。
外部の専門家をどう巻き込むか。
社内にある“分断”をどう橋渡しするか。
私たち《権守一城中小企業診断士事務所》は、その間をつなぐ「設計者」であり、伴走者」です。
経営と現場のズレ
ビジョンと実行のギャップ
技術と人の距離感
これらをつなぎ、バラバラの足を「飛べる神鳥」にする支援をします。
現実のチームで、“飛ばせるカタチ”をつくる。
それが、今この時代の、現実的な経営の選択肢です。